お盆は、日本で昔から行われている行事のひとつです。家族みんなで集まり、ご先祖さまに「ありがとう」の気持ちを伝える大切な時間です。
お盆ってなにをする日？
お盆は、亡くなった人たちのたましいが帰ってくると考えられていて、そのたましいをお迎えして大切に過ごす行事です。
ご先祖さまをおむかえする
お盆のはじまりの日には、「迎え火」という火をたいて、ご先祖さまのたましいが迷わず帰ってこれるようにします。
迎え火は、家の玄関先などで火をともす大切な行事です。
ほおずきやオガラという植物を使って火をつけ、ご先祖さまに「帰ってきてください」と伝えます。
火を見ながら手を合わせて、ご先祖さまへの感謝の気持ちをこめてお祈りします。
この火は、たましいの道しるべになると考えられています。
おはかまいりをする
お墓へ行って、きれいに掃除をしてからお花やお線香をそなえ、ご先祖さまに手を合わせて感謝の気持ちを伝えます。
おはかまいりでは、まずお墓をきれいに掃除します。
草をぬいたり、石をふいたりして、ご先祖さまが気持ちよく過ごせるようにします。
そのあと、お花やお線香をそなえて、静かに手を合わせます。
子どもたちもいっしょに行って、お祈りすることがとても大切です。
お盆はいつあるの？
お盆は、年によって少しちがうけれど、たいてい8月の13日から16日ごろに行われます。
地域によって日にちがちがう
東京などでは7月にお盆をするところもありますが、ほとんどの地域では8月に行われます。
お盆の時期は全国で同じではなく、地域によってちがいがあります。
東京や一部の地方では、7月13日から16日に行われる「新盆（しんぼん）」が主流です。
いっぽう、全国の多くの地域では8月13日から16日が一般的なお盆の時期です。
家族や地域のならわしに合わせてお盆を過ごすことが大切です。
4日間にわけて行われる
お盆は「迎え盆（むかえぼん）」「中日（ちゅうにち）」「送り盆（おくりぼん）」など、いくつかの流れにそって過ごします。
お盆は日ごとに意味があり、順番に行事が進んでいきます。
13日はご先祖さまをむかえる「迎え盆」で、火をたいたり仏壇をととのえたりします。
14日・15日は「中日」とよばれ、家族で集まっておそなえや読経を行う時間です。
16日には「送り盆」として、送り火をたいてご先祖さまを見送ります。
どうしてお盆をするの？
お盆は、亡くなった人たちのたましいを思い出し、今の自分たちがあることに感謝するための時間です。
ありがとうの気持ちをつたえる
お盆では、おじいちゃんやおばあちゃん、その前の代の人たちに「ありがとう」と心をこめて伝えます。
お盆は、ご先祖さまに「いまを生きていること」を伝える大切な行事です。
食べ物やお花、お線香などをおそなえして、「ありがとう」の気持ちをあらわします。
おじいちゃんやおばあちゃんが元気だったころの思い出を話すのもよい時間です。
感謝する心を育てることが、お盆の大切な意味のひとつです。
いのちのつながりをかんじる
お盆を通して、自分の家族やその先にいた人たちのことを思い出し、自分がどこからきたのかを知るきっかけになります。
自分が生まれたのは、たくさんの人たちのいのちのつながりがあったからです。
お盆のあいだは、ご先祖さまを思いながら、そのつながりに気づく時間になります。
写真を見たり、昔の話を聞いたりすることで、自分のルーツを知ることができます。
それは、自分を大切にすることにもつながっていきます。
おうちでやることってなに？
お盆のあいだは、おうちでもいろいろなことをして、ご先祖さまをむかえるじゅんびをします。
おそなえをする
お花や果物、おせんこうなどを仏壇（ぶつだん）にそなえて、ご先祖さまに喜んでもらえるようにします。
お盆になると、仏壇の前に季節の果物やお菓子などをならべておそなえします。
おそなえものは、ご先祖さまへの「ありがとう」の気持ちをあらわす大切なものです。
お花もきれいにかざって、にぎやかであたたかい雰囲気をつくります。
子どもたちも一緒に用意することで、お盆の意味を自然に学ぶことができます。
精霊馬（しょうりょううま）をつくる
きゅうりやなすで作った動物のようなものをおいて、ご先祖さまが乗ってくる乗り物に見立てます。
精霊馬は、きゅうりを馬、なすを牛に見立てて作る伝統的なおそなえです。
足にはつまようじや割りばしをさして、動物の形になるように工夫します。
きゅうりの馬は早く帰ってくるため、なすの牛はゆっくり帰るためといわれています。
家族で一緒に作ることで、お盆の風習を楽しく体験することができます。
お盆のあとのこともたいせつ
お盆が終わったあとは、ご先祖さまのたましいをていねいにおくって、日常の生活に戻ります。
送り火（おくりび）でおわかれ
お盆の最後の日には、送り火という火をたいて、「また来年もきてね」と心の中でおわかれをします。
送り火は、ご先祖さまのたましいを見送るためにたく火です。
家の前やお墓の近くで火をともして、「ありがとうございました」とおわかれをします。
火を見つめながら手を合わせることで、静かな気持ちになれます。
送り火が終わると、お盆の行事もひと区切りとなります。
感謝の気持ちを忘れない
お盆が終わっても、ご先祖さまに対するありがとうの気持ちを、毎日のくらしの中で大切にしていきます。
お盆のときだけでなく、日ごろから感謝の気持ちを持つことが大切です。
仏壇に手を合わせたり、おはかまいりに行ったりすることも、そのひとつです。
家族や自分を支えてくれている人たちへの思いやりも大切にしましょう。
感謝のこころは、毎日のくらしをより豊かにしてくれます。
まとめ
お盆は、ご先祖さまを思い出し、感謝の心を育てる大切な行事です。家族といっしょに過ごしながら、いのちのつながりを感じてみましょう。
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