富士山の8合目は標高約3,200mに位置し、山頂に近い高地として知られています。しかし「車で8合目まで行けるのか?」という疑問を持つ人も少なくありません。本記事では、車でのアクセス可能範囲や登山ルート、利用できる道路や駐車場情報、そして注意点を詳しく解説します。
富士山8合目まで車で行けるのか?
結論から言えば、一般車両で富士山8合目まで行くことはできません。富士山には「マイカー規制」や自然保護の観点から、登山口より上のエリアは車での進入が禁止されています。最も高くまで車で行けるのは「五合目」までとなり、そこから先は徒歩での登山が必要です。
車で行ける最終地点は五合目
マイカー規制の理由と期間
富士山で一般車が到達できる最終地点は、標高約2,300mの五合目です。ここまではスバルラインや富士山スカイラインなど、各ルートに専用道路が整備されています。道路は舗装されており、普通車でも安全に走行可能です。
ただし、五合目までの道路は急勾配が続き、カーブも多いため運転には注意が必要です。特に観光シーズン中は交通量が増え、渋滞や駐車場の混雑が発生することもあります。出発前に道路状況を確認しておきましょう。
マイカー規制は、夏季登山シーズンに合わせて実施されます。主な目的は、自然環境の保全と渋滞緩和、そして登山者の安全確保です。期間中は指定駐車場に車を停め、シャトルバスを利用して五合目へ向かいます。
五合目以降は、徒歩での登山のみが許可されています。車で進入できない理由は、標高が高く道が狭いため安全確保が難しいことに加え、環境保全のためでもあります。自然との共存を意識した行動が求められます。
8合目へ向かう登山ルートの概要
8合目へ行くには、五合目から徒歩で登る必要があります。代表的なルートには「吉田ルート」や「須走ルート」、「御殿場ルート」などがあり、それぞれ登山時間や難易度が異なります。初心者は整備が行き届いた吉田ルートが最もおすすめです。
吉田ルートの特徴と所要時間
他ルートとの違いと選び方
吉田ルートは山梨県側から登るルートで、最も利用者が多い人気コースです。山小屋やトイレの数が多く、初めての登山者でも安心して挑戦できます。五合目から8合目まではおおよそ4〜6時間が目安です。
道中には景色の良いポイントも多く、天候が良ければ山中湖や河口湖を見下ろす絶景が広がります。標高が上がるにつれて空気が薄くなるため、無理をせずこまめな休憩を取ることが大切です。
須走ルートは静岡県側から登るコースで、吉田ルートよりも登山者が少なく静かな環境が魅力です。砂地が多いためやや体力を消耗しますが、下山時は砂走りでスムーズに下れる楽しさもあります。
御殿場ルートは距離が長く上級者向けのコースですが、人が少ないため自分のペースで登山を楽しめます。どのルートを選ぶかは、体力や経験、目的に応じて計画的に決めることが成功の鍵となります。
車でアクセスする場合の駐車場情報
富士山周辺には各登山口ごとに大規模な駐車場が整備されています。マイカー規制期間中はふもとの指定駐車場に車を停め、シャトルバスで五合目まで移動するのが一般的です。事前予約や混雑予想をチェックしておくことで、スムーズに登山を始められます。
各登山口の主な駐車場
マイカー規制時のシャトルバス利用方法
富士山の登山口には、吉田口、須走口、御殿場口、富士宮口の4つがあります。各登山口にはそれぞれ専用の駐車場が整備されており、数百台規模の駐車スペースが確保されています。シーズン中は早朝から混み合う傾向があります。
特に人気の吉田ルートでは、富士北麓駐車場がマイカー規制時の拠点として利用されます。ここから五合目まではシャトルバスが運行され、乗車時間は約30〜40分です。バスの時刻表は事前に確認しておくと安心です。
御殿場口や須走口の駐車場も広く整備されていますが、天候や混雑状況により入場制限がかかる場合があります。そのため、週末や祝日に登山を計画する場合は、時間に余裕を持って出発することが大切です。
マイカー規制中は、ふもとの駐車場から五合目までシャトルバスを利用します。運行時間や最終便を確認し、下山予定に合わせてスケジュールを立てましょう。夜間登山をする場合は、帰りの便にも注意が必要です。
車で行く前に知っておきたい注意点
富士山は標高差が大きく、天候が急変することもあります。車で五合目まで行く場合でも、防寒具や飲料などの登山準備は欠かせません。また、スバルラインや他の登山道の通行止め情報を事前に確認することも重要です。安全第一で行動しましょう。
天候変化への備え
道路状況と通行止め情報の確認
富士山周辺は標高が上がるにつれて気温が急激に下がり、夏でも10度前後まで冷え込むことがあります。
車で行く場合でも、防寒着や手袋を用意しておくと安心です。
急な雨や風にも対応できるよう、レインウェアの携行もおすすめです。
天候は山頂付近だけでなく、五合目でも急変することがあります。
晴天だったはずが、数分で霧に包まれることも珍しくありません。
天気予報だけでなく、ライブカメラや現地の最新情報を確認して出発することが大切です。
また、スバルラインや富士山スカイラインは天候により通行止めになることがあります。
特に強風や降雪、落石の危険がある場合は閉鎖されるため、出発前に道路状況を必ず確認しましょう。
公式サイトや県の交通情報ページで最新情報が入手できます。
通行止めや規制情報を見落とすと、現地で引き返すことになり大きな時間ロスになります。
余裕を持った行程を立て、予備日の設定や代替ルートを考えておくと安心です。
登山や観光を安全に楽しむためにも、情報収集を怠らないようにしましょう。
五合目から8合目までの登山ポイント
五合目から8合目までは標高差約1,200mの本格的な登山区間です。途中には山小屋や休憩スポットがあり、高山病対策のためにもこまめな休憩が推奨されます。8合目はご来光を目指す登山者が宿泊する人気エリアでもあります。
休憩に適した山小屋とポイント
8合目で見られる絶景とご来光の魅力
五合目から登り始めて最初に現れる山小屋は、体を慣らすための最初の休憩ポイントとして最適です。
標高が上がるにつれて酸素が薄くなるため、無理をせず10〜15分ほどの小休止を取りましょう。
水分補給と軽食も欠かせません。
七合目付近には複数の山小屋が並んでおり、温かい食事や飲み物を提供してくれる場所もあります。
夜間登山の場合は、ライトの充電や防寒対策をここで再確認するのがおすすめです。
疲労を感じたら無理をせず仮眠を取るのも安全策です。
8合目は山頂直下に位置し、多くの登山者が宿泊する人気スポットです。
ここからの景色は格別で、夜には眼下に街の灯りが広がり、まるで星空と地上の光が一体となるような幻想的な光景が楽しめます。
カメラを忘れずに持参しましょう。
ご来光を8合目から眺めると、山頂とはまた違う迫力と美しさを感じられます。
雲海の上から昇る太陽は、登山の疲れを一瞬で吹き飛ばすほどの感動を与えてくれます。
天候次第では虹色の朝焼けが見られることもあります。
まとめ
富士山8合目まで車で行くことはできませんが、五合目までは整備された道路を使ってアクセス可能です。そこからは登山ルートを選び、計画的に進むことで安全に到達できます。車で訪れる際はマイカー規制や天候情報を確認し、安心・安全な登山を楽しみましょう。

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